1日2回 世界で一斉に“放球”

まもなく「放球(ほうきゅう)」。10分以上かけて、気体の漏れがないか確認しながら膨らませます。すべてを1人で行うそうです。
この気球を使った観測は国内では16か所、世界ではおよそ800か所で毎日2回、一斉に行われ、世界でデータを交換しているんです。日本では、午前と午後9時に観測していて、福岡管区気象台では、その30分前に飛ばしています。
8時27分…職員の方が気球を外に出し、最後の準備を始めました。
西村裕之気象予報士
「今、8時29分20秒、あと40秒ほどになりますでしょうか。準備は整っています」

時計を見ながら、タイミングを待ちます。そして…
西村気象予報士
「上がりました、上がりました。どんどん上がっていきます。すごいスピードで上がっていきます。私の想像を超えるスピードですね」

時速にしておよそ20キロ、上空30キロまで、およそ1時間半かけて上がります。風もない青空に気球はまっすぐに吸い込まれていきました。
西村気象予報士
「もう行ったっきり、戻ってこないんですね。寂しいなぁ。でもありがとう。今もどんどんデータを送ってくれるんですね。気温、湿度、風向、風速、そして気圧ですね。測ってくれるんですよ。ありがとう。どんどん小さくなっていきます」
この気球を使って測定したデータがこちら!
位置情報で風の向きや強さ、高度と気温で積乱雲が発生しやすいかどうかなどわかり、高層天気図とよばれる天気図が作られて、毎日の天気予報に役立てられているのです。
西村気象予報士
「365日、必ずやるってことですもんね。すばらしいですね。ありがとうございます。もうそのデータを、十分生かしていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします」
あの気球は上空で割れてパラシュートが開いて地上に落下するんです。実は落下した気球が、山口県内で見つかったことがありました。