山口県阿武町が誤って1人の住民に4630万円を振り込んだ問題で、金をオンラインカジノに使ったとされる男に、きょう28日午後3時から判決が言い渡されます。発生から10か月半、事件のいきさつをまとめました。
2022年4月。新型コロナ対策の給付金4630万円を、阿武町が誤って1人の男に振り込んだことが事件の発端でした。
阿武町 花田憲彦町長(会見で)
「正に痛恨の極みであります。改めましてこのような事態になったことを町民の皆さまに心からおわび申し上げます」
誤って振り込まれた先は、田口翔被告(25)の口座でした。町の職員が返還を求めると…
田口翔被告「もう元には戻せない。金は動かした。罪は償う」
後に全額を、オンラインカジノで使ったことが判明しました。
田口被告は誤った振り込みと知りながら、オンラインカジノの決済代行業者の口座に振り替え、不法に利益を得たとして、電子計算機使用詐欺の罪で現在公判中です。
町は弁護士費用などを含む5100万円あまりの支払いを求めて訴えを起こしますが、田口被告の口座残高はおよそ6万8000円。回収は難航するのではないかとみられていました。しかし・・・
花田町長(去年6月 町議会で)「法的に約4290万円の公金の回収が完了しました」
田口被告には税金の未納があったため、町はそこを糸口に決済代行業者への取り立てや差し押さえなどを行い、ほぼ全額を回収。9月には民事裁判で、田口被告が解決金としておよそ347万円を支払うことなどで和解が成立しました。