Mサイズの卵1パック、1年前は160円で売られていたのですが、いまは335円にまで値上がりしているんです。

「物価の優等生」と言われていた卵も価格が高騰し、私たちの生活にも影響が出ています。
買い物客
「絶対冷蔵庫にはないと、困りますよね。3日に1回くらいは1パック買います」「必要なものだから、しかたないなと思ってます」
別の買い物客「困りますよ。困る言うか、もう困ってます。お肉なら牛を豚にするとかあるけど、卵は代えようがなくないですか」
毎日の食卓に欠かせない食材・卵の値段が上がり続けています。

山口農協直販・鶏卵食肉販売課久野祥鼓さん
「今まで経験したことないような価格の上昇なので、一概には言えないんですけど、弊社から卸すときはMサイズのパックで、去年1月と比べてだいたい80円くらいの値上がりになってるかと思います」
値上がりの原因の1つは、生産コストの6割を占めるニワトリの飼料代の高騰です。ニワトリの飼料となる輸入トウモロコシは3年ほど前から値上がりし始め、ロシアによるウクライナ侵攻などでさらに輸送費が高騰しました。そこに追い打ちをかけたのが、鳥インフルエンザの感染拡大です。
先月末時点で、全国で1141万羽の採卵用のニワトリが殺処分の対象となっていて、全国で飼育されるニワトリのおよそ8%に上っています。
久野さん「いつもお客さんに買っていただいている量よりも生産量が減ってしまって、需要と供給のバランスが崩れて高くなってしまっている状況だと思います」

山口農協直販では月に530トンほどの原料卵を仕入れていましたが、先月は300トン弱にまで減っているそうです。鳥インフルエンザが発生した広島や福岡からの入荷が止まり、別のルートで確保できるよう手配するものの、全国的な卵不足で十分な量の確保は難しいと言います。
久野さん「回復するのもいつになるか分かりませんので、しばらく続くんじゃないかな、今の高い状態が続くんじゃないかなという予測になっています」
今シーズン、鳥インフルエンザが全国的に拡大しています。25道県で74件の鳥インフルエンザが発生。これにより、およそ1363万羽が処分の対象になっていて、鶏肉、卵ともに供給量が減っているのです。

卵の生産を行う山口市の出雲ファームの担当者に聞いてみると、「入社10年以上になるがここまでひどい状況は初めて。業界全体に緊張感が走っている」と話します。

出雲ファームでは現在ニワトリ45万羽ほどを飼養していて、月に650~680トンほどの卵を生産・出荷しています。

「出荷量を増やして欲しい」という問い合わせも多いそうですが、生産できる量は決まっているため、応えられない状況と言います。













