山口県内は9日から大雨となり、10日午後には県西部に線状降水帯が発生しました。雨は降り続く見込みで、気象台は引き続き土砂災害への厳重な警戒を呼びかけています。

10日、下関市や宇部市では広い範囲で道路が冠水しました。

山陽小野田市では線路をくぐるアンダーパスに水が流れ込み、車が取り残されていました。

雨は広い範囲で降り続き、11日朝の山口市では車のワイパーを早く動かしても前が見えづらいほどでした。

お盆休み期間中の雨に、帰省してきた人からは残念がる声も聞かれました。

東京から
「お父さんの実家に遊びにきました。プールとか行こうと話していたけど雨だからできないかもねって悲しかった」

9日正午の降り始めからの雨量は11日午後4時までに下関で426.5ミリ、宇部で357.5ミリ、美祢市東厚保で317.5ミリでした。8月の1か月に降る平均雨量の2倍以上が、2日間で降ったことになります。

24時間雨量は下関で366.5ミリ(10日午後8時10分)、宇部で306.5ミリ(10日午後9時30分)と、いずれも観測史上最大を記録しました。

各地で被害も発生しています。

下関市では山肌が崩れて道路に流れ込み、市道が通行できない状況に。近くの人たちが通行できないことを知らせようと、自主的に交通整理をする姿も見られました。

阿武町の国道ではのり面が崩れ、車に乗った男性が軽傷を負いました。

これまでに山口市と長門市でそれぞれ1棟の床下浸水が確認されています。下関市と宇部市でも浸水被害の情報が入っているということです。

今後も1時間に40ミリの激しい雨が見込まれ、12日夕方までの24時間に多いところで100ミリの雨が予想されています。

これまでの大雨で地盤が緩んでいるところがあるため、少しの雨でも土砂災害が発生するおそれがあります。気象台は土砂災害に厳重に警戒し、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。