山口市の小学校と埼玉県の保育園で、子どもたちの交流が続いています。キッカケは、小学校の授業で飛ばした風船でした。
去年11月、山口市の島地小学校に郵便物が届きました。入っていたのは、保育園児からのお礼の寄せ書き。

島地小学校 吉松英樹校長
「こういう郵便物が来ました、どこからかなと思うと新曽保育園って書いてあって。まさかそんなところまで飛ぶとは思ってませんでした」
2024年10月31日、島地小学校で全校児童19人がヒマワリの種にメッセージを添えた風船60個を空に向かって飛ばしました。協力して花を育て、豊かな心を持ってもらおうと人権教育の授業で飛ばしたものでした。
その翌日、およそ800キロ離れた埼玉県戸田市の新曽保育園で、風船が見つかったのです。
吉松校長
「四国あたりに行くのかねって話をしてたんですが。今まで山口県内で飛ばして一番遠くまで飛んだのは、三重県の伊勢市までということだったので、われわれは周南市あたりまで行けばいいなと思ってたんですけれども」
新曽保育園の園児が遊ぼうと外に出たときに、園庭の片隅に落ちていたのを保育士が見つけたそうです。園児からのお礼がきっかけで、島地小も保育園にオリジナルの絵本や手紙を贈りました。それ以来、島地小と新曽保育園の交流が始まり、今も続いています。

この風船を飛ばした、1年の小林龍空くん。「えがおでたのしく」というメッセージを書きました。
小林龍空くん
「保育園に届いたと聞いて、うれしい気持ちだった。曽保育園に飛んでほしかった」
2月27日、島地小の吉松校長が新曽保育園を訪れました。園では、風船をきっかけに「人権の花」をテーマにした劇を発表していました。吉松校長は劇の映像を見たり、児童たちのビデオレターを披露したりしました。

吉松校長
「人とのつながりっていうことがうちの学校みたいに小さいところはとても大切だと思う。まさに種が芽を出して、葉を広げて、花を咲かせていっている。そうやって人権の考え方が次へ次へつながっているんだなって、とっても胸が熱くなりました」
新曽保育園では、ヒマワリの種を花壇に植え、芽が出て、花が咲く日を心待ちにしているそうです。一つの風船がつないだ縁。オンラインでの交流などを計画していて、この縁を今後も大切にしていきたいと話していました。