「海を知らないと海は描けない」
目を見張る細かな描写。強いこだわりは海の表現からも感じられます。青池さんは、中高6年間、路面電車やバスで毎日海を眺めながら登下校していました。
関谷アナ
「海を描くのって好きですか?」

青池さん
「好きですよ。ちょっと変えただけで動きが変わるので、楽しいですよね、描くときに。いろんなものを含んだ重たい水っていう感じを出したいんですよ。都会のアシスタントは海描くと、さらさらの海になっちゃうんですよ。水道水になっちゃうの。だから海を知らないと海は描けないんだなと」
関谷アナ
「毎日見ていたからこそ描ける海ですね」
青池さん
「そうですね、だと思います」
ドイツの自治体から表彰も
そして、なんと言っても最大のヒット作は「エロイカより愛をこめて」。この作品をきっかけに、青池さんはドイツのエーベルバッハ市から表彰されています。

青池さん
「ドイツにエーベルバッハ市っていう少佐と同じ名前の市があるっていうことを聞いて、出かけていったんですけどね」
関谷アナ
「聖地巡礼みたいな」
青池さん
「そうです、走りかもしれん」
その後、日本女性がこぞってエーベルバッハ市を訪れるという現象が巻き起こったのです。しかし、この大人気キャラクター、元々は途中から出てきた脇役でした。
青池さん
「普通のおしゃれなドロボーコメディだったんですよ、始めね。それが趣味が出て少佐っていうキャラクター出すと途端にね、なんかブレークしちゃったって感じ」
始めは3人組の超能力者が主人公。しかし・・・
青池さん
「使い勝手が悪いから、もう消えちゃえみたいな感じ」
そう、全員、途中からまったく登場しなくなりました。
関谷アナ
「自由な感じですね」
青池さん
「そうですよね、自由なんですよ。自分のスタイルっていうんですかね、やっぱ我慢しないっていうかね、それですよね。だから60年続いたんでしょうね」
少女漫画の新境地を切り開き、新しい風を巻き起こしてきた青池保子さん。その60年の歩みを堪能できる特別展は、10月14日まで開かれています。