初連載は「暗黒時代」

デビューしてほどなく、高校生にして週刊連載を担当することになります。

青池さん
「それが初めての連載でしたけど、大層しんどかったですね。暗黒時代」
関谷アナ
「めまぐるしい日々ですよね」
青池さん
「そうですね、だから女学生らしい青春はなかったですね」

フリー転身「やりたいこと」貫く

それからずっと走り続けてきた青池さん。ストレスや目の酷使が原因で眼病になり、1973年、雑誌専属からフリーになります。そして、1976年に連載が始まった「イブの息子たち」が、少女漫画界に衝撃を与えました。

青池さん
「これまでやりたかったことを全部ぶっ込んだっていう」

ロックあり、歴史パロディあり、SFもBLも何でもありのハチャメチャコメディです。主人公の男の子3人は当時、青池さんが好きだったイギリスのロックバンドなどがモデルとなっています

青池さん
「胸毛までちゃんと生えてる」
関谷アナ
「気づかなかった。美しい顔と胸毛はなかなかリンクしないんですけど」
青池さん
「でも描きたかったんです」

王道少女漫画の固定観念を覆すこの作品は大ヒット!「自由にやりたいことをやってもいいのかも」と他の漫画家にも変化をもたらしました。ただ・・・

青池さん
「1通だけ批判的なファンレターが来まして。あなたは堕落した、さようならってね」
関谷アナ
「それファンレターですか」
青池さん
「すごいでしょ、すごいでしょ、そんなのが来ちゃったの」

背景・衣装もリアルに描く

めげずにやりたいことを貫いた青池さんは、これ以降、発表する作品が軒並みヒットしていきます。

関谷アナ
「こちらは中世三部作と言われる作品ですけれども、もうとにかく背景ですとか、衣装がすごくきれいですよね」

青池さん
「そうですよね、よく塗りたくりましたね。細い筆で全部手書き。どうかしてますよね」

歴史的建造物などリアルに描かれた背景に、中世ヨーロッパの豪華けんらんな衣装。質感の違いや立体感も見事に表現しています。

下関市立美術館・関根佳織学芸員
「青池先生は西洋美術ですとか歴史にとても造詣(ぞうけい)が深くて、作品の中にそういった知識を組み込んでいて、美術ファンの人、青池さんの作品を全然知らないよ~という人もですね、見て、とても楽しめる内容です」