背景に深刻な農業被害

野生動物による被害は深刻です。山口県内では2022年度、イノシシが1万9400頭、シカが9757頭捕獲されました。鳥獣被害はおよそ3億7400万円にのぼります。被害額は2010年度のおよそ8億100万円以降減少傾向ですが、被害は農業従事者の生産意欲の低下や耕作放棄にもつながります。

3月、イノシシやシカなどで栗林が被害を受けているという宇部市内の農家から依頼を受けて、わなを設置しました。狩猟部を指導するのは、山陽小野田市でジビエの販売を手がける猟師の仲村真哉さん。仕掛けるのはくくりわなと箱わなです。

狩猟部を指導する西日本ジビエファーム猟師 仲村真哉さん
「見たらわかるけど、山をこちらからこの位置で下りてきて、ここを通って川の中を渡って…」
くくりわなを仕掛ける場所は、シカやイノシシが通る「けものみち」。動物の足跡、掘り返しの跡、立木へのこすり跡などの「フィールドサイン」を見つけて判断します。獲物が足でわなを踏み抜くとワイヤーが獣の足をくくって捕獲する仕組みです。
箱わなは狩猟部の手作りです。獲物が入り、トリガーに触れると入口が閉じ、閉じ込められる仕組みです。

山口東京理科大学 薬学部2年狩猟部 中川心さん
「元々、地元が田舎の方で狩猟というのが身近な存在だったので、興味深くて入りました。罠を仕掛けたりするのがあって普段は経験できないようなこと、たくさんできるんで楽しいです」
無駄のない処理方法も学ぶ
捕まえた動物の処理方法も学びます。仲村さんから無駄を出さない、丁寧な処理の仕方を教わります。
仲村さん
「理科大生の狩猟部のみんなは新しいこと、例えば皮をなめしてみるのでも違うなめし方を試してみようとか、チャレンジ精神が豊富で、見てて面白いですね。やっぱり今、新しく猟を始める方でも年配の方ってすごい増えていて若い力っていうのはどうしても減りがちになってきているんで若い人たちが狩猟の世界にどんどん入ってくるきっかけ、ひとつの契機になればいいなと思ってます」













