人気は日替わりのワンプレートおかず

「おはぎ」で販売するのは、2種類のワンプレートのおかずや単品のおかず。メニューは毎日変わります。季節の和菓子も売っています。人気は、主菜が1つ、副菜が4つのワンプレートで、この日のメインは鶏テキと魚のカレーあんかけの2種類です。

プレートを購入した紫福地区の農家
「ごはんだけ炊いとけばおかずプレートと一緒にっていうのができるので。今ちょうど植え付けの時期なので、それこそ昼休憩があまり取れないときに、こういうのがあるとすごく楽です」

続いて、この日新たに依頼された紫福地区の特別養護老人ホームへ。依頼したのは、この施設の園長でした。

特別養護老人ホーム紫福園 吉冨晋吾園長
「どうしてもここだと周りに買いに行くところがないので、来ていただくと助かりますね。(Q高齢者の方に栄養を届けたいという気持ちでやってらっしゃるってことだったんですけど)はい。同じ福祉をやっている施設としては、やっぱり応援してあげたいなと思いますので」

その後も紫福地区の「おはぎ」を待つ人のもとに赴きます。栄養士が考える献立は、味はもちろん、栄養バランスも好評でした。

購入した人
「ワンプレートを2種類。(Q両方買われたんですか?)はい、両方。いちご大福も」
別の人
「食材が結構野菜を中心にされてるから、いろんな野菜が豊富でね。なかなか自分で車を運転して萩まで買い物に出ることが困難な方とかですね、いらっしゃるので、よかったっていう声は聞きますね」

2人を応援しようと、自身が営む店の前の敷地を貸してくれる人もいます。

店の前の敷地を貸す人
「とにかく若い人がこういうこと始めたっていうのはね、応援してあげたいなって思って」

高齢者の孤独死きっかけに

高齢者の声をもとに立ち上げたキッチンカー。起業の背景には、知人から聞いて知った、高齢者の孤独死もありました。その人は餓死だったと聞きました。

石光さん
「それって何が原因だったの?って聞いたら、年金が少なくてごはんも買えないし、車持ってたけどガソリンも入れることができなかったみたいな。今の時代そういうことがあるんだと思って」

そうした人にも栄養を取ってもらえるよう、ワンプレートのおかずの価格は、物価高騰の中、一律400円に抑えています。

石光さん
「(Q経営面で苦しい部分はないですか?)スタートはすごい苦しいと思います。でも、やっぱり契約が増えていったりとか、助かるよっていう人たちがどんどんどんどん増えていったら、私もハッピーだし、キッチンカーもハッピーになるので。そこを目指して今頑張っています」

前日の買い物で価格抑える工夫も

今はまだ駆け出し。この値段で販売を続けるためには工夫も必要です。

紫福地区での販売を終えて2人が向かったのは「道の駅ハピネスふくえ」。地元でとれた旬の野菜が並んでいます。

柴川さん
「え~、立派なタケノコ」
石光さん
「卵焼きおいしそう」
柴川さん
「あ、タケノコ入りの卵焼き今度したい」

あすの献立を相談しながら、ホウレンソウを買いました。

柴川さん
「ホウレンソウは、あした白あえに使おうと思ってます。ここのホウレンソウは大きくておいしい」

前日に買い出しして安く買えるものからメニューを考えています。

つかの間の休憩後、午後からは、市街地に近い場所での販売です。夕食に1品足そうと単品で買い求める子育て世帯も増えています。食事を届けることのほかにも「おはぎ」が目指すものがあります。