藤井八冠の活躍でも話題に
「ANAクラウンプラザホテル宇部」。前身の「宇部全日空ホテル」が開業したのは1983年です。以来、国内外からの、観光やビジネスの拠点として親しまれてきました。将棋の藤井聡太さんが史上最年少での四冠を達成した会場でもあります。藤井さんがおやつに食べた「長門ゆずきちのシフォンサンド」にも注目が集まりました。

40年にわたって地域のランドマークとして、大きな存在感を示してきました。しかし、施設の老朽化に加え、コロナ禍による利用客の減少などで業績が悪化。去年10月に営業終了が発表されました。
最後の1か月となった3月は、140ある客室が満室に。3つのレストランも予約で満席となりました。慌ただしい1ヶ月でした。最後は社長も玄関先で客を見送ります。そして…。
従業員
「ありがとうございました」

午後2時半、最後の客がホテルをあとにしました。営業を終え、ロビーに集まった従業員を社長がねぎらいました。

ANAクラウンプラザホテル宇部・桜田隆社長
「お客さまから人生の節々でさまざまないい思い出ができたと、さまざまな場面でわれわれのホテルを利用していただき、逆にお礼のことばをたくさん頂戴しました。それは皆さま方の心温まるおもてなし、サービス、それがしっかりとお客様の心に届いてたんだなと」
あたたかい心が通うホテル
従業員の休憩室の前には、客から寄せられたお礼などのメッセージが貼られていました。

ANAクラウンプラザホテル宇部・高松誠治さん
「お客さんからありがとうっていうことばが…こんなにうれしくて、温かくて、あの…それでやりがいというか今まで持てなかった仕事に対してのやりがいというのがここで初めて感じることができました」
ANAクラウンプラザホテル宇部・末廣一会さん
「あしたからどうしようって、ここに来ることがもうないので、どうしたらいいのかなって、ちょっとさみしくなりますね」
ANAクラウンプラザホテル宇部・池田綾香さん
「1番の思い出は…1番最初にウエディングケーキを仕上げたときとかですかね。満足いただけて、とてもうれしかったです」
ANAクラウンプラザホテル宇部・森川貴則さん
「やっぱり上司にも恵まれたし、人間がみんなよかったんで、働きやすい場所ではありましたね。ありがとうございます」
たくさんの思い出が詰まったホテルです。惜しまれながら…「ANAクラウンプラザホテル宇部」は40年の歴史に幕を下ろしました。