基地問題に揺れる戦後の沖縄の歴史を描いたドキュメンタリー映画、「太陽(ティダ)の運命(うんめい)」の上映がきょうから県内で始まりました。
映画に込めた思いを監督に聞きました。
大田昌秀 知事「なぜ沖縄だけそれに我慢しろというのですか」

翁長雄志 知事「お前たちは少数だから黙っとけというのは民主主義国家として品格がない」

沖縄県の第4代知事・大田昌秀さんと、第7代知事・翁長雄志さん。
映画「太陽(ティダ)の運命」は、日米地位協定や米兵による少女暴行事件、それに普天間と辺野古の基地問題など、戦後から苦難の道を歩み続ける沖縄の現代史を、この2人の知事の姿を通じて丁寧に描いたドキュメンタリー作品です。

佐古忠彦 監督「この国と沖縄の歴史、沖縄の問題ではなく私たちの国の姿なんだという思いが強くてそのあたりを改めて、たまたま戦後80年という年になりましたけどじっくりと振り返るそんな時間にできたらなと思って作ってきたのがこの作品です」

TBSのアナウンサーでこの映画の監督、佐古忠彦さんです。30年にわたり沖縄の取材を続けています。
佐古監督が沖縄の取材に取り組む事になったのは、ニュース23のキャスター、筑紫哲也さんの言葉でした。

佐古忠彦 監督「(筑紫哲也さんが)『沖縄に行けば日本がよく見える。この国の矛盾が詰まっている』ということを言ったんです。その言葉がずっと忘れられないでいてその言葉が原点になっている」
沖縄戦という原点を同じくしながら、革新系の大田さんと保守系の翁長さんという相反する二人。
映画では、この2人が行政官としての立場と、民意を背負った政治家としての立場のはざまで苦悩しながら、人間として、知事として、何と闘い、何を成したのかを伝え、そこから見えるこの国の現在地が描かれています。

佐古忠彦 監督「太田さんと翁長さんがどこで繋がり、そして重なっていくのか、
この映像を見るとわかってくる。そういう意味でも点を線にしてどう伝えることができるかを一番腐心したところだったかもしれない」
「その時代はわからないという方もいるかもしれません。でもそういう方にとっても追体験できるそんな作品にっていると思いますので、若い世代から幅広く、是非とも当事者に一緒になってもらえるようなそんな場になったらいいなと思っています」
大田知事「沖縄は何ですか、沖縄は日本ですか」
佐古忠彦監督が手掛けた映画「太陽(ティダ)の運命(うんめい)」は、山形市の「フォーラム山形」できょうから17日まで、鶴岡市の「鶴岡まちなかキネマ」で
あす(12日)から18日まで公開しています。
