室町幕府のエリート官僚の家系…
蜷川家の発祥の地は、現在の北陸自動車道・富山IC近くの富山市蜷川です。
この蜷川家を研究している、富山市郷土博物館の学芸員・萩原大輔さん自身で企画した特別展で、蜷川家が歩んだ波乱万丈の歴史に迫っています。

蜷川家の初代・親直(ちかなお)は、源平合戦で手がらを立てて、源頼朝から所領として越中国・蜷川の地をもらい「蜷川」を名乗り始めました。続く2代目の親綱(ちかつな)は、1224年、今も富山市蜷川にある最勝寺を創建。
南北朝時代に蜷川家は京都に移り、室町幕府で要職「政所代(まんどころだい)」を世襲するエリート官僚の家系となっていきます。「政所」とは幕府の財政や民事裁判を扱う政務機関で、「政所代」という役職はその政務全般を下支えする重要な役回りだったということです。


アニメ「一休さん」に登場する蜷川新右衛門さんのモデルとなったのは…、6代将軍・足利義教に仕えた蜷川“新右衛門”親当(ちかまさ)とされています。親当は、蜷川家で「新右衛門」を初めて名乗った人物です。