連日、目撃が相次いでいるクマ。富山県内では6日の一日だけで5件確認され、去年を上回るペースで急増しています。秋のレジャーに警戒が必要です。

クマを目撃した人:「(クマが)あっちに走っていった、道路を横断して」
地元猟友会: 「ああ、通っているね」「(Q.足跡あります?)これ」
6日午前6時45分ごろ、富山市の中山間地域である大山地域で、散歩中の男性が成獣のクマ1頭を目撃。県道横の茂みから飛び出し、そのまま道路を横切っていったといいます。

クマを目撃した人:
「私の前にもう1人いた、その人が10メートルほど前を通ったクマが、
私は30メートルほど。危なかったですよ、間一髪」
猟友会が調査したところ、付近をクマが通った痕跡が確認されましたが、その後の行方は分かっていません。こうしたクマの目撃が9月から相次いでいます。例年、冬支度を始める影響などでクマの目撃などが相次ぐ9月と10月ですが、2023年は富山県内で目撃件数が去年の1.5倍に増加。10月はさらに顕著で、1日からの6日間で24件の目撃情報が寄せられました。

しかも、その場所は山の中ではなく住宅地のケースが相次いでいるのです。
細橋雄太記者:
「こちらの住宅の敷地では柿が実っています、
そしてその下にはクマのフンが残されています」


柿の実にはクマが食べたとみられる跡が…。柿はクマの好物で、この時期、山でエサがとれなくなったクマが柿などのエサを探しに人里まで下りてきているのです。
9月以降にクマが目撃された場所では、そばに柿の木があることが多く、見つかったクマの糞には、柿の種が大量に残っていました。
6日の朝に目撃された場所でも…
細橋雄太記者:
「クマが現れた場所にも、逃げていった先にも柿の木があります」
しかし、まだ柿の実の多くは色づいておらず、猟友会はー。

地元の大山猟友会のメンバー:
「例年に比べて柿の色を見ても分かるけど、だいぶ遅れている時期が。
だから、もし騒ぎになるとすると、これからみたいな気がする」
柿が10月下旬から旬を迎えるのに合わせ、目撃件数が今後さらに増加していくおそれがあると指摘しています。富山県はツキノワグマ出没警報を出し、不要な柿の木の伐採や実の撤去を呼びかけています。
秋の行楽シーズン、山歩きなどではクマの生息域に自ら入るという意識を持って、クマの撃退スプレーなど事前の準備を万全にしましょう。