今シーズンは不漁が続いている富山湾のホタルイカですが、16日は大変珍しいホタルイカが浜に打ち上げられる現象「ホタルイカの身投げ」がみられました。

未明の砂浜に無数の青白い光。この幻想的な光景が「ホタルイカの身投げ」といわれる現象です。

「富山湾、ホタルイカがすごい量います。すくい放題です。この景色は圧巻です」

富山市浜黒崎の浜辺では、16日午前1時ごろから打ち上げられたホタルイカが発光し始め、波打ち際に青白い光を連ねました。

まさにホタルイカシーズン真っただ中、といきたいところですが…。

記者:「解禁から半月が経ちました。出足が鈍いホタルイカ。『きょうこそは!』という声もあがっていますが、水揚げはどうなっているのでしょうか?」

午前4時半ごろ、漁船が港に帰ってきました。16日は風もなく波も穏やかな絶好のコンディションで、漁協関係者も豊漁に期待を抱いていましたが…。

記者:「例年は一面にホタルイカのカゴが並ぶといいますが、きょうは5つにとどまっています。隣には大量のスルメイカが並んでいます」

例年のこの時期は、1日平均5トンの水揚げがあるといいますが、16日の水揚げは遠く及ばない243キロ…。代わりに大量のスルメイカ…。

ほかの漁港でも新湊で615キロ、水橋で398キロと低調な水揚げでした。

滑川漁港の水揚げをすべて競り落とした川村水産は、午前7時から東京や大阪の市場へ出荷するための作業を行っていました。

落札額は1キロあたり5892円。

川村水産 川村雅江代表:
「高いですよ。高い高い。去年だったらもう3ケタですよね。たくさんあるときは」「まあ値段構わずのところもあるので、とにかく高くても在庫切れのないように買いました」

値段が高く数も少ないため、出荷先は高級料亭や百貨店がメインで、一般家庭の食卓には届きにくいのが現状だといいます。

川村水産 川村雅江代表:
「ホタルイカが揚がってくれないと、春になったような感じがしないというか、毎日お祈りしています。ホタルイカ揚がりますようにって言って、朝お祈りしてから浜に行っていますもの」