小麦の価格高騰。この1年、家庭を直撃するフレーズですが国内消費のおよそ9割を輸入に頼る日本の状況は深刻です。そのなかで見直されているのが著しく進歩した「米粉」。小麦粉の代替品として注文が倍増している製粉会社もあります。
児童:「いただきます」

富山県立山町の立山北部小学校。児童たちがほおばっているのは、地元のコメから作られた米粉パンです。
児童:「大好きです。中にぎっしりつまっているところ」
児童:「とてもやわらかくてもちもちしているのでおいしいです」
立山町の学校給食では去年11月に小麦粉からつくるパンの提供をやめました。

立山町 舟橋貴之 町長:「昨今、小麦が不足していると。世界中で、報道を見まして、それなら100パーセント小麦のパンをやめて米粉のパンにしようと。子どもたちには立山町産の米を食べていただきたい」

世界的な小麦の不足そして、地元産のコメの消費拡大につなげるため、立山町では月に3回この米粉パンが提供されています。

児童:「好きです。米粉パンのほうがおいしいと思います」
ほんのりと感じられるコメの甘み。児童たちからも好評のようです。高まる米粉の需要。県内の製粉会社も大忙しだといいます。

SS製粉 下山和也代表:「こんなにブームが来るとは思ってもいなかったけど、現実そうなったって感じです」
富山県産の米粉を生産する黒部市のSS製粉。今年度の米粉の販売量はおよそ320トンと前年度から倍になりました。

SS製粉・下山和也代表:「脱小麦っていうところで健康的な志向として、小麦じゃなくて米粉を使おうよという流れ」
米粉にはアレルギーの原因物質でもあるグルテンが含まれていないため、小麦アレルギーの人でも安心して食べられるほか小麦粉と比べて油を吸いにくいため揚げ物などにも向いているといいます。さらに価格も…。
SS製粉・下山和也代表:「もう小麦と米粉の値段がほぼ同じぐらいになりました。逆に一部米粉のほうが安い現象も起きてるんですよ」
もともと小麦粉よりも価格が高かった米粉ですが小麦粉の価格高騰により逆転現象も・・・。
さらに、機械化が進んだことで粒子を細かくするなど品質が向上しパンや麺に加工しやすくなりました。SS製粉では2年ほど前から大手パンメーカーなどから注文が相次いでいるといい原料の確保に奔走しています。
SS製粉・下山和也代表:「足らないかって言われたら足りません。はっきり言います。足らない。だからどんどんどんどん今まで作ってなかった農家さんにお願いして作ってもらうっていうところで確保するしかないんですよ」
SS製粉・下山和也代表:「米粉の商品がね、もっともっと増えてくる。楽しみです」
農林水産省の統計によりますと日本の1人あたりの米の消費量は年々減っていて、2020年度の統計では、最も消費量が多かった1962年度と比べて半分以下の50.8キロまで落ち込んでいます。
日本の食糧自給率アップにつなげる一手としても米粉の可能性が再び注目されています。










