高校生が自ら手がけた「みそ作り」の取り組み。ことし2月からの長期プロジェクトが終了し、高校オリジナルの「手作りみそ」が完成しました。高校生達は手作りの楽しさ以上に、ある大切なことに気づきました。

富山県立南砺福野高校で授業の一環として行われている「福ふく味噌プロジェクト」。

農業環境科の生徒たちが地域住民や企業からみそ作りのノウハウを学び、生産から加工、販売まで行うことで、高校生による農業の6次産業化を目指しています。

橋本星奈アナウンサー:
「混ぜるのも結構力いりますよ、重労働です」

富山県の砺波市産の大豆、学校の田んぼで育てた「富富富」からつくった米糀を使い、細かく配分を計算。高校のOBで、元富山県味噌協業組合理事の構正(かまえ ださし)さんが講師です。

福野高校OB(元富山県味噌協業組合理事)
構 正さん:

「本当の『みそ』っていうものを知ってもらいたくて、ここへ来て楽しく皆さんと話しながらやっています」


生徒:
「(みそ作りを)機械でやっている人たちが多い中、自分たちが1から手でやることで、昔の人がどうやってやっていたのか知ることができてうれしいです」


ことし6月と9月に樽の中のみそをかき混ぜ、11月、それぞれの樽を1つにブレンド。市販の味噌の倍以上の時間をかけて、発酵、熟成させました。



そして12月13日にみそをパック詰め。その量、250パックでおよそ150キロ。この日は、パッケージに生徒たちがデザインしたラベルを貼って完成です。



女子生徒:
「巖浄閣(がんじょうかく:前進の県立農学校時代の校舎 国指定重要文化財)の色がピンクなんで、ピンクで(デザインを)やった気がします」「たくさん買ってもらえるように」「売れてほしいなって」

4種類のラベルデザインは生徒19人が1人1案ずつ考え、全員でコンペを行った中から選ばれたもの。自分たちで販売し、より消費者に手にとってもらえたデザインはどれなのか、データをとり、分析します。


生徒:
「樽でつくって、それをブレンドしてやってるんで、1個1個時間をかけて作ってきて、これが1個になって商品になったっていうのは、ここ1年間やってきてよかったなって1番に思います。地域の方々に、みんなに食べてもらいたいな」

2年生だった頃からおよそ1年かけて作り上げた自分たちの味噌。生徒たちも満足な出来のようです。きょうはできあがった福ふく味噌でねぎの味噌汁をつくり、試食しました。

橋本アナウンサー:
「私が作った味噌もブレンドされているということで、いただきます。美味しい。ちょっと甘めですね、でもちゃんと深みもあって、とってもおいしい味噌です」


女子生徒:
「(Q.自分が作った味噌がこうなるって)うれしいです。(Q.いつもの味噌と比べて)おいしいです、こっちのほうが…」


男子生徒:
「味に深みがあって、とても飲みやすくておいしいです。ブラボーです!」


福野高校OB(元富山県味噌協業組合理事)
構 正さん:

「上手にできたってことで、いま男の生徒さんもブラボーって言ってたけども、おいしくなったって。本当にこうやってお世話させてもらってありがたかった。段々味噌汁食べる人が少なくなってきてる。だけどこういう機会に家庭で味噌汁はこうしてつくっておいしいものだって分かってもらえればうれしい」

この福ふく味噌は今月27日に南砺市福野で行われる歳の大市にて1パック750グラム800円で販売されるということです。

※南砺福野高校では来年もまた2年生が「みそ作り」に取り組み、今度は大豆も、学校で育てたものを使って挑戦していくということです。