4日未明に富山市婦中町で新聞配達中の夫婦がクマに襲われ、75歳の夫は顔と手に。70歳の妻は顔にけがをし、救急搬送されました。

これまでクマによる外傷患者の治療にあたってきた富山市民病院の宮下医師は、クマは「顔を狙う」ケースが多いと話します。

富山市民病院・形成外科・宮下松樹医師
「鼻がない。簡単に言うとぐちゃぐちゃっていう印象しかないですね」

これは、クマに襲われた患者のCT画像。鼻がなく、顔の骨が砕けて、歯までなくなっています。

宮下医師
「これ(顔の骨)硬く見えるんですけども、その中は空洞になってます。だからすごく折れやすい。脳を守ったから、生きてるからいいっていうわけでもない」

顔の機能を取り戻す手術に加え、見た目のための手術も必要となり、心的負担も大きいといいます。

宮下医師
「顔っていうのは1番見た目が大事なところだし、1番露出する部分でもあるので、顔をけがするっていうことは、人間的なストレスは腕の骨折などに比べて強い」

顔の次に被害が多いのが、腕や脚です。

宮下医師
「腕には2本の骨、橈骨と尺骨があって、それがバラバラになるくらい噛まれることもあります。(クマの)口の中には雑菌がいる、「破傷風」っていう菌がいて、破傷風に関してはなると死ぬ確率が高くなる。一度感染すると命に関わる」

「軽傷」であっても命に関わる可能性があるクマの脅威。
万が一、遭遇した場合は自分を守る姿勢が大切です。

宮下医師「おなか、内臓がやられてしまうので、とりあえず顔を守る。頭を守るっていうことが大事」