韓国本部トップの逮捕・起訴に触れず…

シンポジウムの中で田中会長は「日本は確かに韓国に送金してきています」と認めたうえで「送金相手は韓国ではなく韓国の世界本部」「世界宣教支援という名目で海外に送られている」と説明しました。

この送金問題について鈴木エイト氏は「田中会長は『世界宣教支援』という名目を強調しましたが、その言葉通りに資金が使われてきたのか、非常に大きな疑問が残ります」と指摘しました。

さらに「日本の信者から集められた多額の献金が、実際には韓国国内の選挙工作資金や、教団幹部の個人的な贅沢品、例えば高級ハンドバッグの購入などに流用されたのではないかという根強い疑惑が指摘され続けています」と、資金の使途に関する問題点を具体的に説明しました。

また鈴木エイト氏は、今回の講演で特に注目すべき点として、「田中会長が、教団の最高指導者である韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁の名前を一度も口にしなかったことです」と指摘しました。

韓総裁が韓国で政治資金規正法違反などの容疑で逮捕・起訴されているという、教団にとって極めて不都合な事実には一切触れませんでした。

このことから、このシンポジウムが、そうした事実を伏せた上で日本の信者に対して教団の正当性を訴える、一種の弁明の場としての性格を帯びていた可能性を鈴木エイト氏は示唆しています。