ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった、大阪大学特任教授の坂口志文さん。その快挙に、富山県内からも祝福の声が寄せられています。

6日、今年のノーベル生理学・医学賞に大阪大学特任教授の坂口志文さん(74)が選ばれました。日本人の生理学・医学賞の受賞は7年ぶり6人目となる快挙です。

ノーベル生理学・医学賞 坂口志文氏
「うれしい驚きといいましょうか、ということにつきます。私たちのやってきたこの研究というのが、何らかのご褒美があるかもしれないと思いましたが、この時点で、このような名誉をいただくのは非常に驚きでありますし、光栄に思っております」

坂口さんらは、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見。リウマチや1型糖尿病、がん治療などへの応用が期待されています。

坂口さんは2016年富山大学医学部の40周年記念式典に出席。学生らに「制御性T細胞」に関する講演を行いました。

当時、医学部長だった北島勲理事・副学長は――

富山大学 北島勲理事・副学長
「私的には10年前でも、(ノーベル賞の)対象になっても不思議じゃなかった。制御性T細胞をうまく使うことによって、免疫抑制剤を使わずに済む治療が生み出せるんじゃないか。いかにこれを臨床にもっていくかというところに10年前からかなり展開されていてそこにフォーカスを合わされていた」

齋藤滋学長は20年前から、学生の研究留学や「制御性T細胞」についての共同研究などを通して深い交流があったといいます。

富山大学 齋藤滋学長
「坂口先生は非常に穏やかで。本当にまじめな方です。いい人です」

齋藤学長は坂口さんと共に研究に携わってきた妻・教子さんの支えが、快挙につながったのではないかと話します。

富山大学 齋藤滋学長
「研究って上手くいかないときの方が多いので。そういうときに、どうしたらいいか相談相手になったりとかされて、今日があるんじゃないかな。お二方で(ノーベル賞を)とられたんじゃないかな、坂口夫妻でとられたんじゃないかなと思います」

今回の受賞で、「制御性T細胞」による病気の治療や予防の実現が、大幅に近づくと期待が寄せられています。

富山大学 齋藤滋学長
「ノーベル生理学・医学賞をとったことは大きいと思うね。これで、治療についての1つのステップになって。多くの研究者が研究するようになると思うんです。研究人口が多ければ多いほど、たくさんの研究成果が出てきますから、いろんな可能性が出てくると思います」