「二度と被害者を出さないために」決意…

判決文を読んだ中村さんは「全く方向が違うような文章になっていたので、全然思いは届いていないと感じました」と落胆を隠せない様子でした。

一方で、裁判を通じて良かった点として「少しずつではあるが、警察の通信指令室という普段私たちには縁のない部分で、どういう対応がなされていたかを皆さんに知ってもらえるようになってきたのは良かった」と話しました。

清水弁護士は控訴について「元々中村さんが問題にしたかった通信指令室の対応のところが、きちんと裁判所に受け止めてもらっていないので、それは控訴で明らかにしていく必要があるかな」と語りました。

なお、この事件については刑事裁判も進行中で、裁判員裁判のやり直しが決まっています。再び死刑求刑も予想される中、中村さんは「以前から申し上げているように私は死刑は望んでいない」と自身の立場を改めて表明しました。

夫を失った悲しみを抱えながらも、同様の悲劇を繰り返さないために初動対応の問題点を明らかにしようとする中村さんの闘いは、判決後も続いていきます。