富山湾の秋の味覚「ベニズワイガニ」。去年に引き続き、ことしも猛暑の影響で例年より10日ほど遅らせて初水揚げが行われました。「赤いじゅうたん」で知られるベニズワイガニの競りにある変化が起きています。

河野文美アナウンサー
「昨シーズンは記録的不漁となった県内のベニズワイガニ漁、今シーズンの初水揚げが行われています」

新湊漁協では、例年9月2日ごろに初競りを行っていましたが、去年に引き続き今シーズンも猛暑の影響でカニの鮮度を保つのが困難だとして初競りを10日ほど遅らせてスタートしました。

初日は新湊漁協に所属する4隻のうち2隻が出漁。新湊漁港のカニ漁師亀谷昌克さんの船は、午前9時30分ごろに漁を終え港に帰ってきました。

カニ漁師 亀谷昌克さん
「いるかいないか、半信半疑できょうはたくさん獲れたほうだと思いますうれしいです」

初日の水揚げは、およそ1700匹。11日は天候不良で漁に出られない船もありましたが、漁獲量は昨シーズンの初日の1割減にとどまる水揚げとなりました。

例年の競りでは、床一面がベニズワイガニで真っ赤に染まる赤いじゅうたんが恒例です。

仲買人
「まあ、ことしからちょっと売り方が変わるから赤いじゅうたんとまではいかんようになったけど…」

仲買人
「良いカニは一つずつ並べて仲買人さんたちに見てもらって、細かいものはタンクで売ればいいかなって…」

今年は、暑さや衛生面の影響で床に並べるカニは選別された大きなもののみとし、そのほかは1つのタンクにカニが10匹入った「タンク売り」で競られました。

Q.赤いじゅうたんっていうのは?
「ちょっと寂しくなりますね。でも鮮度と清潔面を入れてこうかなと(思う)」

仲買人
「まだ分からないですね。箱に入ってると足がとれてるとか(分からない)でも値段は分かりやすくなったんじゃないんですかね。やってみないと分からないですけど。前よりも氷も入っているのでいいんじゃないかと思います」

新湊漁協では甲羅の幅が14センチ以上、重さが1キロ以上のベニズワイガニを最上級のブランド「極上・高志の紅ガニ」に認定していますが、初日は1700匹中1匹のみ選ばれました。

新湊漁業協同組合 塩谷俊之さん
「地すべりの調査をしていただいて、痛んでいる所も見えるような形。この調査の結果がどう出るか分からないですけれども、見ての通りこれだけの量がありますので、少しは希望を持って操業できるんじゃないかと思います」

漁は来年5月まで行われ、冬にかけて最盛期を迎えます。