吉田読環さん:
「歌ってます、世界中どこへ離れても聞こえてしまうという歌。恐ろしい歌です」


読環さんにとって絵を描くことは生活の一部で、家にはオリジナルの漫画などが大量に保管されています。

記者:
「シュールな絵描きますね」

母 千春さん:
「涅槃図なんですよね」
「捨てられなくて困ってるんですけど」

吉田読環さん:
「最初に展示した絵があっちです」

小学6年生の時には、ピカソの傑作「ゲルニカ」を自分流にアレンジした作品が高岡市美術館に展示されました。



母 千春さん:
「描いたものを人に見てもらえるっていうのが励みになると思うし、本人も喜んでいたと思うんで」



今回、自分が描いた絵馬が商品になることを読環さんは楽しみにしているようです。



吉田読環さん:
「合掌造り、大仏の顔」

個性あふれる5つの絵馬が完成しました。

この絵馬のカプセルトイを仕掛けたのは「cotae ネットワーク」、富山県内の障害者の家族や8つの福祉事業所が連携した団体です。



障害者のアート活動を支援する渡邉陽子さんと米田昌功さんが代表を務め、商品開発や販売に取り組んでいます。

コタエネットワーク共同代表 米田昌功さん:
「ほら、こんな風に絵だけじゃなくて、作ったやつをチャームみたいにして吊るしてあったりとか。みなさんそれぞれ思い思いに工夫があって」

cotaeは、去年春、美術展に合わせて商品を製作。ミュージアムグッズのようなおしゃれなデザインが好評で見事完売。ブランドとしての手ごたえをつかみました。

もっとcotaeブランドをたくさんの人に届けたいと考えたのがカプセルトイです。

米田昌功さん:
「絵を買ったりとか、ハードルの高い買い物じゃなくて、作品と購入する人の間が近い関係性というかガチャポンって」



このカプセルトイには高岡市が補助を出していて、新たな高岡のおみやげものとして絵馬、小さな肩掛けかばん(サコッシュ)、カルタの3種類の商品が作られました。





これらの商品には県内の福祉事業所の利用者など50人以上の作り手が関わっています。



絵馬の絵を描いた読環さんも出来上がった商品を見てうれしそうです。


10月21日、勝興寺に「cotaeネットワーク」の米田さんたちがカプセルトイを設置すると。



お客さん:
「えー、何これ」

すぐに次々とお客さんが集まってきました。

訪れた女性:
「蝶々の絵馬が出ました。これはこれでシンプルでかわいい」「飾っておきます」





コタエネットワーク  米田昌功共同代表:
「勝興寺に来る人もちょっと違う形で楽しめて、意外なところで福祉に参加できるアートに参加できるってなったら楽しいですね」


商品の売上げの約半分は作り手に還元される仕組みで、小さなカプセルでアートと福祉の新たな輪が広がろうとしています。




勝興寺の絵馬は現在は売り切れですが、各事業所で急ピッチで製作中。このほか「高岡市美術館」には小さなかばん(サコッシュ)、「道の駅雨晴」にはかるたのカプセルトイがそれぞれ設置されています。