■伝統技術を現代のペット用品に…


記者:
「こちらの工場では、かつて氷見の伝統産業だった針の製造技術を生かして、あるペット用品が作られています」

氷見市内にある金属加工工場。氷見は戦前、国内第2位の縫い針の生産地で「氷見針」として全国に知られていました。

しかし、生活様式の変化などに伴い需要が減り、数多くあった工場は次々に生産を終了。氷見最後の製造工場となったケンシン工業も、時代の波には逆らえず1975年に針の生産を終了しました。今は、その技術を現代のニーズに合わせた製品に生かしています。

ケンシン工業 飯田和男 社長:
「何かうちとしてオリジナルな品物ができないかということで、針に特化したものがないかなということで考えていたんです」

そんな発想から生まれたのが針製造の技術を生かしたペット用品です。その製造過程をのぞいてみると…。

まずは長い針金を伸ばして、短く切りそろえます。さらに表面を磨いて滑らかに…。

ケンシン工業 飯田和男 社長:
「今までずっと長いこと縫い針から始まってピンの表面を磨く技術というのを自分たちで開発したわけです。自信のある技術です」

できあがったぴかぴかのピンを県産のヒノキに一本一本丁寧に差し込むと、出来上がったのはペット用のクシ・「わんにゃんコーム」でした。

様々なペットに対応できるようにと、3種類のクシを用意しました。長さや太さが違う2つのピンを交互に配置することで、地肌に触れない短いピンが毛をふんわりと立ち上げてくれます。

ケンシン工業 飯田和男 社長:
「(ピンの)先が丸く半球状に仕上がっていますので、なでるとマッサージ効果でイヌが気持ちいいと」

あまりの気持ちよさに社長の愛犬、姫ちゃんも、この表情…。

ケンシン工業 飯田和男 社長:
「使ってみてわかる使いやすさ、そしてペットも喜ぶこの使い心地、それが一番じゃないかなというふうに思っています」