チューリップテレビが加盟する国連とメディア連携の「SDGメディア・コンパクト」ではキャンペーン「1,5℃の約束、いますぐ動こう、気温上昇を止めるために」を展開しています。なかでも廃棄物の処理を減らす家具についての新しい取り組みです。

富山市内にオープンしたこちらのカフェ。お客さんが何気なく座っているこのソファはもともとベッドだったもの。広々と使えるソファとしてカバーを張り替えています。

また、使い古してしまった座面をリメイクしたものも…。実はここ、サスティナブルをテーマに、ものの循環を考えた施設なんです。

卸売り業者が立ち並ぶ富山市問屋町の一角にできたこのお店。これまで家具店、米三が客から引き取った家具を置いておく倉庫として使っていました。

簡単に捨ててしまうのはもったいないという思いから倉庫を改装してできたのが複合施設「トトン」です。

米三 増山武 常務取締役:
「今まで引き取った家具をたくさん捨ててきたんですけど、捨てている家具を資源循環に何とかつなげられないかという所から「トトン」がスタートしました。『捨てるをまわす、くらしをつくる』ってのがコンセプトになっています」

1階のお店では家具を販売していますが、こちらもただの家具ではありません。1979年に米三で接客用として使っていたイスを作り変えたものなんです。

米三 増山武 常務取締役:
「これをこちらにあるように1個1個のパーツにばらして、塗装を剥いで白い状態にして、そこに藍染をもう1回施したもの。座面も富山のトチノの木を使ってそれをもう1回組みなおしたら一個一個オリジナルなものにリサイクルされます」

古くなった家具をリメイクし、デザインや用途を変える「アップサイクル」で新たな価値をつけて販売。少しのキズや汚れで使われなくなった家具はそのまま販売するリサイクルも行っています。

また、カフェの隣、仕事や打ち合わせができるコワーキングスペースに並んだタンスの扉を開けるとー…。仕事や勉強ができるスペースが現れました。

米三 増山武 常務取締役:
「人間が寝るためには使われなくなってしまったけど使い方考え方変えたら植物の鉢植えになったりしたらまだまだ使えるよねとか。そういったことの発想がまだ可能性を探れるなっていうのが、この施設でやっていきたいなっていうことですね」

施設の一角にはお客さん自身が家具を好みの形にリメイクできる場所も…。記者もイスをローテーブルに変身させる作業を体験しました。

DIYアドバイザー:
「まっすぐに押さえながらやってください。もっとしっかり押さえながら。ちょっと角度ついてる。まっすぐまっすぐ」

記者:
「難しいですね。なかなか」
「慣れていないのでなかなか難しいですが、こうして教えてもらえると助かります」

作業にはアドバイザーがつくほか、難しい作業は専門の職人が作業場で行います。

さらに、家具の処分には分解・分別が必要ですが、いらなくなった家具の解体もできます。

誰かが不要になった家具の一部を、他の人が材料として使っていく。そんな循環が生まれています。

米三 増山武 常務取締役:
「お客さんがとにかく来て、自分で何かここに家具とかを持ってきてアップサイクルしてまた使ったよとかそんな人がちょっとでも増えるような、そんな取り組みをどんどんしていきたいなって思ってます」