あいみょんや米津玄師といった一流アーティストのミュージックビデオを手がけるカメラマン・今村圭佑さんが、母校、八尾高校の創立100周年を記念したプロモーションビデオの制作に取り組んでいます。ビデオには生徒や卒業生が出演し、おわら風の盆を再現した撮影も行われました。

「よーい、スタート」

最新式のカメラを身にまとって撮影する男性…。富山市八尾町出身で地元・八尾高校の卒業生、今村圭佑さんです。

今村さんはあいみょんや米津玄師、菅田将暉といった一流アーティストのミュージックビデオを手がけ、映画監督も務めるなど映像業界の第一線で活躍しています。

ことしで八尾高校が創立100周年を迎えるにあたり、卒業生でつくる記念事業の実行委員会から学校と町の魅力を発信するプロモーションビデオ、PVを撮影してほしいとの依頼があり制作を引き受けました。

八尾高校出身のカメラマン 今村圭佑さん:
「僕もいつか地元に何か返す仕事をできたらいいなとは思ってたので、ちょうどそういういいタイミングだったのかなと」

今年6月、撮影の打ち合わせのため今村さんが母校を訪れました。

卒業式以来、15年ぶりだと言います。PVのイメージを膨らませるため、校舎内を見て回りました。

今村圭佑さん:
「卒業式に寝坊したのを思い出しました。(何で寝坊しちゃったんですか)全然覚えてないです」

PVは、八尾の美しい街並みや伝統行事の魅力を生徒や卒業生の目線で描くショートムービー形式で、実際に生徒たちが出演します。

生徒たちはどうして八尾高校で学ぶことを選んだのか、今村さんが話を聞きました。

生徒:
「学校の見学会みたいなのが1月にあって、けっこう受験期ギリギリだった時に先輩方が部活されてたりとか、そういうところを見てここいいなって思って。家から少し遠いけど自分の夢探すためにはここに行くのもありかなと思って八尾に決めました」

今村圭佑さん:
「めちゃくちゃいいコメント」

話題は、今村さんが高校生だった頃の話に。

今村圭佑さん:
「応援団長でした。赤団。めちゃくちゃ夏休みに体育大会の練習めっちゃしてました。どっちかというと今撮影の仕事も運動会みたいな、文化祭みたいな感じなんですよ。そういう映像の現場っていうか。50人、100人ぐらいの人が集まって1個のものつくるみたいな感じで。そういう高校の時の運動会とかの経験が、そういうものづくりが好きになったきっかけかもしれないですね」

撮影最終日(10月11日)。八尾町におわら風の盆を再現したセットをつくり、生徒がおわらを見るシーンの撮影が行われました。踊り手は八尾高校郷土芸能部の部員たちです。

今村圭佑さん(演技指導)
「まだわかんないけどって言ってるところできょうのあった出来事を思い出してください。まだわかんないけど・・・・ぐらいの。まだわかんないけどから・・・・までの間でいろいろ写真撮ったことを思い出しながら言っていって」

生徒:
「わかりました」

生徒にインタビューする役どころで、(チューリップテレビの)中川環アナウンサーも出演しました。

今村圭佑さん:
「じゃあ本番行きます。みんな踊ってください」

中川環アナウンサー:
「すみません。少しインタビューしてもよろしいですか」

生徒:
「大丈夫です」

この町に興味を持っていなかった生徒が、興味を持つきっかけになる大事なシーン。今村さんはカメラの位置を変えながら、納得がいくまで何度も撮り直します。

午後4時から始まった撮影は、夜になってようやく終わりました。

生徒役 五十嵐陽大さん:
「自分で見たら変な感覚があるかもしれないんですけど、人が見た時に八尾ってこういう場所なんだなとか、イメージがわくような映像だったらいいなと思ってます」

八尾高校創立百周年記念事業 実行委員会 武内 清さん:
「八尾高校、そしてこの八尾の町を凝縮した、なんて素晴らしいところなんだろうということが皆さんに伝わるようなそういうプロモーションビデオになると信じておりますし、期待もしております」

完成したPVは11月4日の記念式典で披露されます。

八尾高校出身のカメラマン 今村圭佑さん:
「僕自身も自分の生まれ育った町でこういうふうに撮影できてうれしかったんで、100周年ていうことなんですけど今までの歴史をたどるというよりはこれから101年102年と続いていくような意味を持った映像になればいいかなと思います」