全国でみられる遺族の署名活動での働きかけ

去年12月、担当弁護士や交通鑑定士とともに、独自の現場検証を行いました。

弁護士によりますと、事故を起こした男性は、午後9時から約3時間半にわたって居酒屋を2軒はしごし、焼酎5杯、ビール3杯を飲んだ後、車を停めていた駐車場から一方通行を逆走する形で交差点に出て、井野さんをはねました。

日本交通調査機構 代表取締役 佐々木尋貴さん
「さほど難しい道路ではないと思います。適正な認知判断能力がアルコールによって低下するから、交通事故を防ぐことができるような手段方法を運転手が取れなかったから、事故が発生しているのかなと思います」

ほかの交通遺族とともに、街頭での署名活動も行いました。危険運転致死罪の適用を求めるとともに、悪質な運転による交通事故の悲惨さを知ってもらおうと懸命に呼びかけました。

現在の「危険運転致死罪」の適用要件は、呼気中のアルコール濃度など明確な基準が示されていないことから立証が難しく、過失運転致死罪にとどまることが多いのが現状です。

全国では、遺族らの署名活動などの働きかけにより「危険運転致死罪」に変更される事例が相次いでいます。