富山市桜木町の再開発の計画が6年越しで本格的に動き出します。2032年度の完成を目指し、新たにマンションや宿泊施設などが整備される予定です。

富山市によりますと、再開発が計画されているのは、城址大通りと松川に面した区画です。

4年前に営業を終了した富山第一ホテルや佐藤工業北陸支店などが並ぶ敷地面積約8200平方メートルのエリアで、新たにマンションや宿泊施設、商業施設などが整備される予定です。

桜木町の再開発をめぐっては、2019年には地権者でつくる準備組合が設立されたものの、その後新型コロナなどの影響で協議が滞っていましたが、去年11月にようやく合意がなされたということです。

6年越しの再始動について、専門家は――

帝国データバンク富山支店調査課 大場正範 課長
「桜木町がにぎわってくると、富山駅から総曲輪地区までの動線ができてくると思います。離れていた経済圏が一体化するという狙いがあるのではないかなと思います」

桜木町エリアの再開発は富山駅と総曲輪をつなぎ、市中心部の回遊性を高める鍵になるといいます。

また、帝国データバンクによりますと、2024年度の国内の旅館・ホテル市場は5.5兆円に達する見込みで、コロナ禍前、2018年度の5.2兆円を上回る勢いです。

大場さんは富山県内でもこうした旅行需要への対応が急務だと話します。

一層の旅行需要が期待される一方で、懸念材料もあります。

帝国データバンク富山支店調査課 大場正範課長
「お客さんは来てくれるけど、従業員がいないからサービスの品質を維持できなくて、その機会を損失してしまう。そういった懸念はありますね」

富山駅前を中心にホテルの進出が相次ぐ中で人材の奪い合いが懸念され、大場さんは、効率化に向けた投資も必要だと指摘します。

桜木町の再開発は富山経済の新たな起爆剤になるか。再開発事業は2032年度完成予定です。