厳しい自然界“歩く白鳥”にも別れの季節が…
田んぼと餌場をパートナーと一緒に行ったり来たりする生活も終わりを迎えました。白鳥は絆が深く、生涯つれそうといいますが、3月、パートナーは、“歩く白鳥”を残して、北に帰ってしまいました。
一羽富山に残された“歩く白鳥”。一羽になると天敵に襲われる可能性も高くなります。4月の朝焼けの美しいある日、日の出前に山田川から田んぼに移動していました。するとキツネが白鳥めがけて猛スピードで走ってきました。

“歩く白鳥”はキツネを察知したのか、水が張ってある田んぼに入り、難を逃れました。その一部始終を目撃していた澤江さんは…。
澤江弘一さん:「ひどく危なかった。この畔をまっすぐ走ってきて、白鳥のとこまでまっすぐに走っていた。何もなく済んでよかったです。これからが心配」
5月、日の出の時間が日に日に早まります。“歩く白鳥”の寝床から田んぼまでのルーティーンはその後も続いていました。その行動パターンもある程度わかってきました。日の出前に川から出て、田んぼに移動。田んぼに数時間いて、川に戻ってくるというのがだいたいのパターンでした。


しかし、田んぼに半日いる日もあれば、日没後までいる日もありました。

田んぼの稲が伸びてくるととても歩きにくそうにしていました。自分の背丈までになると視界も悪くなり、居心地が悪そうに見えました。
6月22日を最後に、歩いて田んぼに出ることはありませんでした。
