完璧主義な性格がゆえに

凪咲さんは幼いころから運動神経抜群で、運動会では必ずリレーの選手、持久走大会も1位。中学のときには陸上の走り幅跳びで全国5位になりました。しかし凪咲さんは悔しさが残ったといいます。

氏家凪咲さん
「小さいときから負けるのがもうとにかく嫌で、もう負けず嫌い。常に高い目標に向かいながら努力してきた」

新潟の大学を卒業後、県内の総合型スポーツクラブに入社した凪咲さんは、フィットネスのインストラクターとして働き始めました。

しかし――

氏家凪咲さん
「大きなきっかけがあったわけではなくて、徐々に徐々に追い込まれていったというか。病院、精神科に行って『うつ病』と『適応障害』っていう診断を受けて」

幼いころからの完璧主義な性格が自らを追い込みました。

氏家凪咲さん
「レッスンの内容にしても、もっと自分ができるんじゃないかって、自分でまた追い込んで練習したりとか、プライベートがなかったというか、家でもずっと仕事をしてたっていう感じなので」

気づくと、家族と会話をすることさえ避けるようになりました。

母 薫さん
「口数も少なくなって部屋にこもりがちになって。見るからにもう表情が無表情になっていったっていうか…」

当時のSNSには「この1週間の就寝時間が起床時間に変わった」「健康的な時間に寝て起きる生活が今1番ほしい」と苦しい心のうちがつづられています。

さらに、ストレスが食に向き、過食症にもなりました。

氏家凪咲さん
「もう無我夢中に食べるというか。こんなに買って食べれるん?って量も全然入るし」

一度の食事で菓子パン9個、ケーキやアイスも大量に。自分の心と体をコントロールできなくなっていました。