富山湾に春の訪れを告げるホタルイカ漁が1日、解禁となりました。能登半島地震から2か月。被災した水橋漁港では430キロを超える水揚げで上々のスタートとなりました。
髙木健至記者:「午前2時の水橋漁港です。富山湾の神秘を求め、漁師たちが出港します」

水橋漁港では1日午前2時ごろ、3隻の船がおよそ1キロ沖に仕掛けられた定置網を目指して港を出ました。
漁師たちが網を引き上げると…

髙木健至記者:「大量のホタルイカが網にかかり幻想的な光を放っています」
2か月前の元日に発生した能登半島地震で水橋漁港は甚大な被害を受けました。

地震の影響で5つある定置網すべてが損傷したほか網を固定する石が流されてしまったため、代わりの石をクレーンで船に乗せ海底に沈める作業を強いられました。

水橋漁民合同組合組合長 安倍久智さん:「(網の設置は去年の)12月30日に完成したばっかりで 初起こしが1月4日からだったんですよ。 地震発生して1回も漁ができずに回収してきた 設置したものは全部ゼロからやり直し」

また、地盤地下の影響で使えなくなった荷捌き所は資材倉庫を改装して仮の荷捌き所として使用するなど、この日を迎えるため関係者総出で復旧に取り組んできました。
水橋漁民合同組合によりますと、初日の水揚げは去年の5キロを大幅に上回る432キロと、上々のスタートとなりました。

かつてない被害を乗り越えての漁の解禁。それだけに漁港では例年にはない、ほっとした表情を見せていました。
水橋漁民合同組合組合長 安倍久智さん:「無事に間に合ってホッとしたなという感じと(定置網の修繕が)あとまだ2か所残っているので、その復旧も急ぎたいなと思ってます」

解禁初日の浜値は1キロ当たり6000円前後で取り引きされたということで、震災復興に向けて明るい兆しとなりました。
富山県水産研究所によりますと、ことしのホタルイカの水揚げは去年までの10年間の平均1261トンを上回ると予想されていて、関係者はこれからのシーズンに期待を寄せています。

水橋漁民合同組合組合長 安倍久智さん:「(ホタルイカは)季節のものなので食べて元気になってもらえればなと思ってます」

富山湾のホタルイカ漁はこれから4月に向けて最盛期を迎え、5月下旬まで続く予定です。










