「点と線」の解除を突破口に
富岡町は、原発事故で一時、町の全域に避難指示が出されていましたが、除染やインフラ整備などが進み、現在は町の87.6%で避難指示が解除されています。また、今年4月1日には、夜の森地区を中心としたおよそ3.9平方キロメートルの復興拠点で、避難指示が解除されました。一方で、震災から12年以上が経過した今も、町の面積の6.7%が帰還困難区域に指定され、人の立ち入りが厳しく制限されています。
今回、避難指示が解除されるのは、この帰還困難区域の中にある小良ヶ浜地区と深谷地区の共同墓地や集会所、そして、そこにつながる幹線道路です。今回は復興拠点の「点と線」としての解除となるため、まだ人の居住はできません。

富岡町の山本町長は「2つの地区の復興再生に向けた第一歩を踏み出せたと感じている。これを突破口とし、町内全域の避難指示解除に向けた取り組みを進めていきたい」としています。

政府は今後、住民の帰還意向を踏まえて復興拠点に含まれない地域について「特定帰還居住区域」に設定して、先行して除染を行い避難指示を解除する方針です。しかし、住民からは地区全体の面的除染を望む声も多く、調整が難航しています。










