福島県国見町が高規格救急車を民間企業と共同開発して貸し出す事業を断念した問題で、31日、町議会は、この問題を独自に調査する百条委員会を設置しました。

佐藤孝町議「これまで解明されなった事実関係を、特別委員会を通じて解明をしたいとするものである」

佐藤孝町議

31日、国見町議会で可決された百条委員会の設置。自治体の事務などに関して、地方自治法の権限に基づき議会が独自に調査を行うものです。

調査の内容は、町が断念した高規格救急車のリース事業。町では、企業版ふるさと納税を活用して、宮城県の民間企業と、高度な救命処置ができる「高規格救急車」12台を共同開発して、貸し出す事業を進めていました。

しかし、寄付を行った企業3社が救急車の製造元のグループ企業で関連があると指摘され、実質的な企業の負担が軽減される制度を使った「課税逃れ」の可能性が浮上しています。

31日の臨時議会では、百条委員会の設置に至った理由について事業に関する資料が廃棄され、ほとんど残っていないことや町と業者で計画していたのではないかという声があがりました。

佐藤孝町議「ある企業の特徴が盛り込まれている仕様書作成になっていて、本当に役場職員が作ったのか疑問」

傍聴に来た町民「なかなか問題が進まないので、早く解決して欲しいなと思って見に来た」

すでにある12台の高規格救急車のうち9台は、国見町や川俣町の病院、県外の消防に譲与することが決まっていて、残りの3台は現在交渉中ということです。

百条委員会では、11月13日に議会への出頭義務のある証人の選定などを行い、来年3月末までに報告書を完成させるとしています。