福島県で阿武隈川などが決壊し、40人が亡くなった2019年の台風19号から、12日で4年となりました。インフラの整備が進む一方で、甚大な被害のあったいわき市では、いま、新たな課題に直面しています。

12日のいわき市平下平窪地区。台風19号で、市内では夏井川が決壊し、9人が亡くなりました。その夏井川では、堤防が新しくなり、川幅を広げる工事が進んでいました。あれから4年が経ち、以前の街の様子を取り戻しているように見えます。

平下平窪地区・江尻光芳区長「ちょうどこの奥なんですが、堤防を直した跡があるが、あの辺が決壊した場所です」

平下平窪地区の区長、江尻光芳さん。水害の後、地区は新たな課題に直面しているといいます。

江尻区長「空き家になってしまった。こういう空き家が地域に増えてまいりまして…」

水害の後、住民が地区から流出し、高齢化もあいまって、空き家が増えているといいます。また、家が取り壊されたため、空き地も増えていて、管理も十分ではありません。かつては2130世帯が住んでいましたが、水害の後は、1800世帯あまりにまで減りました。

江尻区長「40年前に家を建てた方が今80歳以上を迎えている。そうするとまたここに家を建てるという状況がなかなか難しい」

一方、江尻さんは、台風19号の被害を受けて、地区の防災マップを作り、防災力の強化にも取り組んできました。いわき市では今年9月にも、記録的な豪雨があったばかり。下平窪地区では大きな被害はありませんでしたが、4年前を思い出したといいます。

江尻区長「ハード面は整ってきました。4年の間に下平窪地区では4名の80歳以上から100歳ぐらいの方が亡くなっているので、教訓を生かして早めの避難が大切かなと思います」

いま、直面している人口の減少と、これからも起こりうる災害への対応。地区はいま、難しい課題に、直面しています。