台風13号にともなう豪雨災害から1か月が経ち、浸水被害を受けた福島県いわき市では、災害ごみの仮置き場での受け入れが9日で終了しました。

壊れたピアノに、幾重にも重なった濡れた畳。大きく山積みになっているのは、災害ごみです。
いわき市では、市内3か所に設けられた仮置き場でごみの受け入れを9日で終了しました。最終日の9日、午前中から市民が次々と訪れ、浸水して使えなくなったごみを運び入れていました。被災した地域では、今もなお、片付けに追われています。
被災した住民「1階は全滅なので、いまは2階で生活している状態です。とりあえず家のごみを整理して、家族でゆっくりと考えて次の一歩を踏み出そうかなと思っています」
1700棟以上が浸水したいわき市では、仮置き場以外に置かれた災害ごみが、およそ600か所ありましたが、現在はほとんど撤去されています。
災害ごみは今後、戸別収集され、必要な人は市への問い合わせが必要です。
水津邦治アナウンサー「いわき市の内郷公民館です。こちらでは住宅の災害復旧に関する相談会が開かれています」
被害が大きかった内郷地区では、被災者を対象に住宅の復旧についての無料相談会が開かれました。
会場には、被災した市民が訪れ、「家を解体したい」など住まいの悩みを相談していました。
避難所で生活する住民「床をはがして…。とても住める状態ではないから」
記録的豪雨から1か月あまり。被災地域ではいまだ住まいの再建が課題となっていて、復旧への長期化が懸念されます。
被害状況をまとめました。亡くなったのは1人、軽傷が5人です。

住宅被害は、家屋など3棟が全壊、床上・床下浸水は合わせて1800棟に上りました。農林水産業にも甚大な被害が出ました。被害額の合計はおよそ15億3900万円。農作物の被害面積は208.4ヘクタールと東京ドーム42個分にのぼります。

被災地域での一番の課題が「暮らしの再建」です。1ヶ月が経ったいまも避難所などで生活を送る人がいます。

県はいわき市と南相馬市の被災者に対し、県営住宅などを最長1年間、無償で提供する対策をとっていますが、場所によっては、抽選になるなど被災者が希望する環境に入居できない現状もあるそうです。一日も早い住まいの再建が求められています。