都会の空をレース機が飛び回る。現実ではあり得ないこんなエアレースがまもなく実現します。AR・拡張現実の技術を使って飛んでいるのは、エアレースパイロット・室屋義秀選手の飛行機です。決勝に向けて8日、福島市で「エアレースX」の予選が始まりました。
多くの観客が応援する中、最高時速400キロ近い室屋選手の飛行機が目の前を一瞬で駆け抜けていきます。
室屋選手「久しぶりのレースフライトで、燃えてくる感じ。すごく楽しい」
今回、世界からエアレースXに出場したトップパイロットは8人。パイロットは開催都市に集まらず、世界各地の拠点で規定のレースコースを実際にフライトし、そのタイムで予選通過者4人を決めます。
また、エアレースXでは、コース上のゲートにはパイロンの位置を示す目印があるだけです。
室屋選手「パイロンがないので、最初調整がしにくかったが、5、6フライト終わったあたりから高さもピシッと揃えられるようになってきた。今問題なく飛べている。そんな中でいかにタイムを出していくかとなると、ラインを目いっぱい攻めていくのでペナルティとのせめぎあいになる」
見えないパイロンをイメージしてその間を高速で正確に通過する。その技術は、まさに神業です。
予選初日の8日、室屋選手は気迫のこもったレースで観客の目を釘付けにしました。
宮城県から見に来た家族「異次元の世界ですよね。めったに見られないものですから、来ないわけがないです。飛行機好きだったら」
レースの合間には毎回、チームスタッフと共にデータを解析し、飛行ラインのズレや機体の姿勢を微調整。その結果、2戦ともペナルティゼロという正確な飛行で幸先の良いスタートを切りました。
室屋選手「チーム福島でぜひ優勝目指してがんばりたいので、声援よろしくお願いします」
予選は今月13日まで行われ、ARの技術を使って行われる決勝は、今月15日に東京・渋谷で見ることができます。