まるで、湖のように変わり果てた福島県南相馬市の沿岸部。12年前、東日本大震災で津波の被害を受けた小高区の映像です。かつては家があり、畑があり、田んぼが広がっていました。

その小高区で農業を営んでいた荒木清一さん(73)。震災の津波で最愛の奥さんを亡くしました。海に近かった小高の自宅や田んぼも津波にのまれました。

すべてを失い、途方に暮れる中、それでも荒木さんは、思いを胸に秘めていました。

「また小高でコメを作りたい」

そして…。

荒木清一さん「最高。最高の苗だ」

今年の春、荒木さんの目の前に広がったのは、何年もの間待ち続けた、田植えの風景です。

荒木さん「ようやっとだなって感じだな」

南相馬市、小高区角部内。13年目のコメ作りです。