夜中に短時間で増水「垂直避難」選択も

なかでも、被害が大きかったのはいわき市の内郷地区です。

伊藤大貴記者「川の濁流に巻き込まれたとみられる車が放置されたままの状態となっています。前の車はフロントガラスが大破し、後ろの車に乗り上げてしまっています」

周辺の住民は、後片付けや泥かきなど復旧作業に追われました。

住民「乾かして(床下の)泥を取ってあそこまで水が入った。壁がはがれている。(この場所に住んで)60年になるが初めて」

4年前の台風19号では浸水被害がなかった場所でも被害が出たという今回の記録的な大雨。その一方で、人的被害が広がらなかったひとつの行動がありました。

吉田雄二さん「ここ(2階)に妻と二人で腰かけて、イヌはここに布団を敷いて寝かせていました」

内郷地区の吉田雄二さん(70)。近くを流れる川は氾濫していて、避難所ではなく家の2階に避難する「垂直避難」を選択しました。

吉田さん「(4年前は)床下まで来なかったが、降り方が異常だったので危ないと思って上に来た」

いわき市では、避難所に最大600人あまりが避難しましたが、短時間の増水で自宅での垂直避難を選択した人が多かったとみられています。

内堀知事「線状降水帯が(県内で)初めてのことで、これまであった(避難)計画通りにいっていない。どういった対応がよかったのか、しっかり検証していくことが必要」

甚大な被害をもたらし、また復旧作業の長期化が懸念されるなか、今後は幅広い支援とともに、避難に向けた対策の検証も求められています。