線状降水帯による記録的な大雨で、大きな被害を受けた福島県いわき市。今回の大雨で被害が出た地域は、多くのところで2019年の台風19号で被害を受けた地域と重なります。その経験から地域の人たちはどう行動したのか、8日夜からの動きとともに振り返ります。
【8日夜】
阿部正輝記者「いわき市です。先ほどからすごい雨です。風も強まってきて、横殴りの雨になっています。」
8日から降り続いた猛烈な雨で、いわき市と南相馬市であわせて14の川が氾濫、あっという間のできごとでした。
【9日未明】
日付変わって午前2時。いわき市では。
住民「濡れた範囲が広すぎる。洗濯機も使えなくなってしまった」
南相馬市小高区では。
伊藤大貴記者「南相馬市にある小高川から数百メートル離れた場所にいます。路面をみると、車道歩道ともに水で覆われ、車のタイヤがほとんど埋まる水位に見えます」
県内で初めて、線状降水帯発生情報が発表されました。
9日朝までの24時間に降った雨の量は、いわき市山田で194ミリと9月の観測史上最大を記録。県は、いわき市と南相馬市で災害救助法を適用しました。
【9日朝】
大雨から一夜明け、徐々に被害の状況が明らかになってきました。
阿部正輝記者「側溝に人が倒れているという通報があった内郷内町の現場です。側溝の脇には多くの漂流物が残されていて、非常に強い流れの水が押し寄せたことがわかります」
いわき市の内郷内町では、側溝に倒れている60代の男性が発見され、その場で死亡が確認されました。
県によりますと、県内では5人が軽傷を負いました。また、いわき市と南相馬市、それに楢葉町のおよそ16万世帯37万人に避難指示が出され、1000棟を超える住宅で床上まで水に浸かる被害が出ました。
住民「だんだん(雨が)強くなってきて、あとはダメだった。ベランダの上まで水が上がってしまった」
施設のスタッフ「側面の窓ガラスが割れて水が一気に入って、器具類を流してしまった。60センチから70センチくらい(水が)中に入った」