福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズで披露されている「ファイヤーナイフダンス」。ダンサーたちが、鍛え抜かれた肉体で、炎をまとったナイフを匠に操ります。その登竜門の試験に、いわき市出身の新人ダンサーが臨みました。彼が挑戦したのは、一人前のダンサーの証、2本のナイフを使った演技です。
「ファイヤァァァァァァーー」
いわき市のスパリゾートハワイアンズ。会場を盛り上げるのは、チーム「シバオラ」のファイヤーナイフダンスです。

南太平洋・サモア伝統の踊りで、鍛え抜かれた肉体で炎をまとったナイフを自由自在に操るその姿は、まさに圧巻。
スリルと迫力のパフォーマンスで会場を盛り上げます。
その姿に魅了され、この世界に飛び込んだ新人ダンサーがいます。
地元・いわき市出身のエディ勇人(はやと)こと村上勇人さんです。
村上さん「男なんですけど、セクシーな感じに見えて、すごいかっこよかったんですよ。その男らしい姿が。あれに自分もなりたいとすごい思って」
ハワイアンズでファイヤーナイフダンスが披露されたのは、いまから50年前。

当時、手探りの状態でスタートした日本唯一のパフォーマンスは、半世紀たったいまも、その技術がダンサーたちに受け継がれています。
子どもの頃、村上さんは、その光景に衝撃を受けました。
村上さん「短い時間であれだけの迫力と表情と、お客さんを巻き込むパフォーマンスができる、ダンサーとしての力もすごいんでしょうけど、ファイヤーナイフダンスの魅力、それがすごい刺さりましたね」

2017年にハワイアンズを運営する常磐興産に就職し、おととしからダンサーの道を歩み始めた村上さん。
Qそれって何キロなんですか?
村上さん「100キロですね」

ファイヤーナイフダンサーに欠かせないのが、男らしい肉体美です。
村上さん「筋肉がないと技術に繋がってこないので、大前提ですね。男らしさっていうか戦士の踊りなんで、こっちのフロントの胸筋とか、あと腕、横から見たときの腕の太さとか、結構そういったのを重視していますからね」

村上さんは、ダンサーの登竜門である演技試験に向け、練習に取り組んでいました。
村上さん「2本の練習をもうやっていますね」

村上さんが現在出演する舞台は、ナイフ1本での演技のみ。
一人前の証、2本のナイフを扱う演技はまだできません。
村上さん「ファイヤーナイフダンサーとして一人前になることだと僕は思っているので、まだ2丁もできない半人前なんで」
今年8月、この日初めて2本のナイフに火をつけ練習を行いました。最初は軽快に回していきますが…
「おう!おう!」
恐怖心から次第に動作が乱れていきます。

村上さん「やばい。全然違う」

演技終了後、気丈にふるまいますが、ショックを隠し切れません。
村上さん「人間の本能的に火の怖さというか、それでちょっとタイミングとが全部ずれたり、それがちょっとありましたね、きょう。まだダメですね…」
