「福島の魚を食べないと損と思わせたい」
直売店のオープン初日。店内には、自慢の商品がズラリと並びました。多くの客が訪れ、手に取っていきます。
福島市からの客「これからも活気づけてもらわないと、漁業は大変だよね」
お客さんの反応に、上野台さんも手ごたえを感じています。
上野台さん「お客さんとの直接的なふれあいだったり、商品に対する説明とかを自分のお店を持って説明したい、みなさんに提供したいと思ったので」
売り場では、焼きたての海の幸を味わうこともできます。

埼玉から来た高校生は、メヒカリを食べたことがありません。人生初のメヒカリを食べてみた感想は。
埼玉から来た高校生「身がぷりぷりですね。おいしいです」
埼玉から来た高校生「震災があった時は小さかったのであまり覚えていなくて、ちょっと他人事みたいに感じていたんですが、こういうことを目にして聞いて、もっと頑張ってほしいし私も力になりたいなと思いました」
上野台さん「いわきまで来ていただいて、いわきのおいしいものを食べて帰ってもらいたいなという思いもあるので、すごくうれしいですね」
こうした中、政府は8月下旬にも、処理水を海に放出する方針で、詰めの調整を進めています。上野台さんも、影響を懸念しています。
上野台さん「あまり気にされていなかった方が不安になり食べなくなってしまうというのが不安な部分だが、その不安をやわらげるためにはお客様に食べてもらっておいしいものを提供することだと思っています」
原発事故の影響で、苦境に立ってきた水産業ですが、上野台さんは、魚のおいしさを直接届けることで、乗り越えたいと話します。
上野台さん「やっぱり福島の魚を食べないと損だよな、もったいないよなと思わせたいなと思っていますので」
さらに「次の一手」も。今年の秋には食堂もオープンさせ、郷土料理である「サンマのポーポー焼き」などを提供する計画です。

上野台さん「不安な部分が出てくるかもしれませんが、不安に打ち勝つ、それを超えるおいしさでみなさんに喜んでもらいたいなと思っています」
魚の魅力を直接届け、不安を超えるようなおいしさを。上野台さんの取り組みは、これからも続きます。