悲願の初搾り 受け継がれた伝統

この日、プロジェクトの大きな一歩となる菜種油の初搾りが行われました。小さな黒い粒が、油のもととなる「菜種」です。

まず行うのは「菜種のばい煎」。油の色や香りを決める最も重要な工程です。

小原さん「平出さんが言うには、触ってみて熱っ!だったらOKだっていうんですけど、それが何度かはわからないので」

長年の経験から培われる職人ならではの肌感覚。小原さんは、平出さんから教わったことを一つ一つ確かめるように何度もばい煎具合を確認します。

小原さん「習ったのは、潰してみて山吹色になったらOK、ちょっと赤っぽい感じ。もうちょっとみたい」

開始からおよそ1時間。鉄釜を開けると、香ばしくばい煎された菜種がでてきました。次は油を搾りやすくするために、プレス機で細かく砕いていきます。その後、蒸気で温めるなどした菜種を詰めると、いよいよ、油の搾り作業に移ります。ゆっくりと菜種に圧力がかけられていき、そして…。

黄色味がかった菜種油がゆっくりとでてきました。

小原さん「見た目の印象や香りを見る限り、かなり平出油屋さんの油に近いものができていると思いますね。力が抜けるくらいほっとして、もう、うまくいってよかったなと」

「会津の宝を未来につなぎたい」。その思いからはじまった今回のプロジェクト。小原さんは、念願の初しぼりを地域の人たちともに喜びました。

小原さん「(クラウドファンディングの)お返ししなきゃ、もう何百人っていますから、待っている人が。瓶詰めして発送しなきゃ」

新たに受け継がれた老舗の歴史と技術。小原さんは、この会津の宝を未来につないでいきます。

小原さん「もうちょっと細かいところを調節しながら、ゆくゆくは若い人たちにバトンタッチして、100年先、200年先もこの設備を使って、油を搾ってほしいなと思っています」

そして、これまで技術指導をしてきた平出祐一さんは、闘病生活の末、去年12月に亡くなりました。平出さんからバトンを受け取った小原さんは、4月から、本格的な油の搾りを行う予定です。