7月の安倍元総理銃撃事件をきっかけにクローズアップされた旧統一教会を巡る問題です。献金被害者の救済法が成立し、解散命令の是非を検討する質問権の行使が続いています。しかし、20年という歳月、旧統一教会に翻弄され「カルトの花嫁」を出版した元2世信者ら、被害者からは、根本的な解決につながるのか疑問視する声が広がっています。

■元信者Aさんが証言「献金の手口は実に“システマティック”」

旧統一教会の元信者Aさん:
「被害が続いているので、解散して活動を制限しないとどうしようもない」

仙台市に住む旧統一教会の元信者Aさん(60代)。母の病死をきっかけに入信し2年余りの間に献金などおよそ1000万円の被害を受けました。

旧統一教会の元信者Aさん:
「女性が早く亡くなっていて、女性が苦労する家系じゃないですかと。あなたも苦労してますねと」

母があの世で報われるようにと、Aさんは生命保険を解約したり銀行から借金をしたりしてお金を工面しました。その献金を引き出す組織の巧妙な手口が分かってきました。

これは当時、Aさんが家系図診断やカンセリングを受け献金を迫られた仙台の活動拠点ビルの一室の見取り図です。

一室ではAさんを勧誘した女性と上司と共にカウンセリングに臨みました。上司らは、カウンセラーにAさんの悩みや家族の病歴など事前に吹き込んでおき、霊能力で言い当てたように装い、献金を勧めてきたと言います。上司らは相槌を打ったり、励ましたりして、献金を後押ししてきたと証言します。

旧統一教会の元信者Aさん:
「人の弱みを一生懸命探す。何を言ってあげたら心が動くのかサポートする」

さらにカウンセラーは、お祈りをするなどと頻繁に席を外し、別室に控える「タワー長」と呼ばれる責任者に「今、いくらです」などと報告。Aさんの収入や貯蓄額を把握しているタワー長は、「もっと強く言って献金を引き出せ」「きょうはこれくらい」になど指示を出していたというのです。

旧統一教会の元信者Aさん:
「システマティック。どれくらい使えるお金を持っているか。話の流れで言わされていた」

旧統一教会の元信者で現在、脱会者の支援を行う牧師の竹迫之さん。献金には役割が与えられた複数の人物が関わっていたと証言します。