「津波は来ていない」誤解を招く危険
星野誠気象予報士:能登半島地震の当時の津波計の観測データです。一番下の七尾港は正しく54センチの津波を観測しましたが…。

村上晴香アナ:上の2か所はグラフがまっすぐになっていたりして、正しく観測できていませんよね。
星野誠気象予報士:このため、輪島港については「1.2メートル以上」という情報が出され続けたほか、珠洲市長橋については何も情報が伝えられないという状況が続いたのです。能登半島地震の発生当時、気象庁の地震津波監視課長で、今年4月から仙台管区気象台の台長を務めている鎌谷紀子さんは、当時をこう振り返ります。

仙台管区気象台 鎌谷紀子台長:
「津波を正しく観測できなくなったということは非常に残念だと思っております。そこのデータが発表されないという状況になるわけですね。発表されないとそこに津波は来ていないと誤認する可能性があったということになります」

村上晴香アナ:何も情報がないと、実際には津波のデータが「取れていない」のに、津波が「来ていない」と勘違いするおそれがあったというわけですね。