青い振袖に身を包みしとやかに微笑む2人の女性。
石巻市の伝承交流施設「MEET門脇」で展示されているこのパネルは、東日本大震災で亡くなった石巻市の幼稚園児、佐藤愛梨ちゃんと西城春音ちゃんが二十歳の成人式を迎えた姿をイメージして描かれたものです。
震災当時6歳だった2人は、幼稚園の送迎バスに乗車していて津波とその後の火災に遭い亡くなりました。

愛梨ちゃんの母・佐藤美香さん:
「作業の中でいろいろと(画家の)小林さんなりが想像を膨らませて描いてくれたものだと思うので、すごく感謝している」
娘が成長した姿を見てみたいと、絵の制作を依頼した愛梨ちゃんの母、美香さん。
石巻市の成人式があった2025年1月12日にパネルを贈られ、家族みんなで選んだ振り袖を着た愛梨ちゃんの晴れ姿を目にし、成長した娘に会えたように感じたと話します。

愛梨ちゃんの母・佐藤美香さん:
「娘が成長した姿をなかなか想像できなかったので、生きていたらこんな風に成長していたんのではないかと思って。その時は光が差し込んで見えた」
成長した2人の姿を多くの人に見てもらうことで月日の流れを伝えようと、原画をイメージパネルにして母からのメッセージとともに展示することにしました。
MEET門脇では、2人の姿が次の命を守る力になってほしいと考え、当面、展示を続けるということです。