宮城県女川町の離島、出島と本土の間に架けられた「出島大橋」は、悲願の開通から19日で2カ月が経ちました。島には、多くの観光客が訪れ、受け入れ態勢が整えられる一方で、一部の釣り人にはマナー違反が見受けられます。

宮城県女川町にある出島大橋です。離島と結ばれた新しい橋を一目見ようと、週末を中心に多くの観光客が足を運んでいます。

観光客:
「(Q:出島は何回目)きょう初めて。橋が出来たので見てみようとかと思って」観光客:
「(目的は)何もない。ただ来てみた。きれいなとこだね」

出島大橋は、女川町の離島、出島と本土の間に架けられた全長364メートルのアーチ橋で、2024年12月19日に開通しました。町にとって40年来の悲願でした。

かつて島に暮らしていた町民:
「橋が架かってうれしい限り。夢の架け橋と言っていたが、夢の架け橋ではなくなった」

あれから2カ月。町は、島内に臨時駐車場と仮設トイレを設置しました。年末年始や週末にカウントした駐車場の利用台数は、1月末現在で、延べ1万6367台。最も多かった1月3日は1日で1000台を超えました。

島民:
「観光客だけ増えた。釣りをしている人もいれば、この辺をぐるっと回っている」

多くが県内の釣り客と見られ、週末には大勢の太公望が姿を現わします。この日は、25センチほどのウミタナゴを釣りあげた人も。

釣り客:
「出島は(魚の)サイズが大きい。週1回ぐらい通っている」

女川町で地域おこし協力隊を務める太田悠介さん(27)。出島を拠点に、幅広い世代に釣りの体験を提供するプロジェクトを展開しています。

太田悠介さん:
「釣り具の使い方、釣りの仕方、同時に漁港のごみ拾いをしたり、ルール、マナーの話をさせてもらう」

釣り客が増える一方で、一部にマナー違反が見られるとして、啓発パンフレットを作成しました。

太田悠介さん:
「漁師の仕事の邪魔になる場所に車を止める。(仮設)トイレではないところでトイレをしてしまう」

町は、指定場所への駐車を求める案内板を設置したほか、4月1日の使用開始を目指し、公衆トイレの整備を進めています。

太田悠介さん:
「漁師も寛大な心で釣り場を開放しているので、少しでも環境を維持していきたい」