冬の渡り鳥、ハクチョウにGPS端末を装着して飛行ルートなどを追跡する生態調査が行われています。調査開始から1年あまり、これまで見ることのできなかった繁殖地の様子などをハクチョウ目線の画像で捉えることができました。
北海道で撮影された羽を広げ飛行するハクチョウの写真。繁殖地のシベリアへ戻る途中の姿です。

この調査は、県伊豆沼・内沼環境保全財団が中国の送信機メーカーなどと一緒に2023年し12月にスタートさせたものです。
オオハクチョウとコハクチョウの首輪にカメラ付きGPS端末を装着。毎日、送られてくる位置情報と画像をもとに、ハクチョウの生態を研究するのが狙いです。

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 嶋田哲郎研究室長:
「繁殖地の様子や中継地の様子など、いろいろ情報が届き、非常に興味深い成果が上がっている」

こちらは、2023年12月、宮城の伊豆沼周辺で撮影された1枚。田んぼで落ち穂をついばんでいます。

一方、2024年3月に北海道で撮影された写真に写っていたのは、デントコーン畑。北帰行の際、地域によって食べるものを変えていることがわかりました。
去年4月には、流氷が残るオホーツク海を渡ったと見られるハクチョウたち。
そして、こちらは、2024年6月頃に撮影された、ロシア北極圏のタイガ地帯にあるオオハクチョウの繁殖地です。

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 嶋田哲郎研究室長:
「林が映っている。ツンドラとはまったく違った景色が映っていて大変興味深い」
宮城で冬を越したハクチョウたちが、はるか4000キロの旅路を終えロシアの繁殖地に到着したことが画像を通して証明されました。
宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団嶋田哲郎研究室長:
「改めてハクチョウの繁殖地を見ることができた。多くの人に鳥や研究などに関心を持ってもらい、深めてもらうことを期待している」

財団などでは、今後も調査を継続し、スワンプロジェクトのホームページでハクチョウの位置情報や画像を公開しています。