■「行方不明者に一日も早く帰ってきてもらいたい」

遠泳に挑戦した末永さんは、カキの養殖業を営んでいます。この日はカキを内湾から沖に移す作業が行われていました。

末永典弘さん:
「10月の水揚げの時期は、それはそれで忙しいが自分的には1年で今が一番忙しい」


毎日のように海に出る末永さんを遠泳に駆り立てたのは東日本大震災以降、未だ見つからない行方不明者の存在です。震災で末永さんの自宅は床上浸水、家族は無事でしたが、震災から11年余りが経過するなか、県内で1200人以上が未だに行方不明になっていることに心を痛めていました。

末永典弘さん:
「仕事しながらも被害者の方が漁場にいるのかと思うと、複雑な気持ちで仕事をしてきた。一日も早く(行方不明者が)帰って来てもらうという思いを込めて、泳ぎたい」