手間だし腹も立つが…

「割れ窓理論」。たとえ小さな異変でも、放置することは危険だという犯罪学に基づく理論です。
<静岡県立大学 津富宏教授>
「割れた窓が放置されてると、この地域は犯罪が起きても誰も気にしない、というサインになる。僕もやっていいのかなと、模倣・追随する人を誘う」


割れた窓ひとつを放置することで監視が緩い地域と誤解され、地域の治安が悪化するという「割れ窓理論」。米・ニューヨークでは、約20年前、この理論に基づいて落書きをされたら、すぐに消すなど徹底的に取り締まった結果、犯罪発生率が大幅に低下したという実績もあります。

<犯罪学を専門とする静岡県立大学 津富宏教授>
「割れ窓理論に従えば(落書きは)放っておかないことが大事。手間だし、腹も立つが、書かれたらまず消す」
落書きがあった藤枝市の屋台小屋は、地域の住民が費用を出し合い、修復しました。
落書きは、犯罪で器物損壊罪などの罪に問われる可能性があります。器物損壊罪の法定刑は、3年以下の懲役、または30万円以下の罰金です。
簡単な気持ちで行われることが多い落書きですが、あまり伝えられることのない被害者の苦しみは、とても大きいものだと取材を通して感じました。