園が繰り返す「やめられない」
内容については、わたしたちが廃園に関しての約束とか、市との約束は守られるのか、辞職はするのですか、ということを聞いていたんですけども。初めの頃は「在園児がいなくなるまでは続けさせてください」とか「後任者ができたらもう辞める」とか、現理事長の息子は「もういつでも辞める気はあるんだけれども、後任者がいないからやめられない」っていうふうにいっていたんですけども、今年の6月くらいから、もう一切、そういうことに関しては答えずに、「弁護士に聞いてください」と放り投げられるような回答が多くなっていますね。
後は、事件当初は、警察の方にいろいろ、捜査状況を聞いたりしても、やはりこう、遺族であっても伝えることができない情報がほとんどであって、そういったことを何年かかるかわからない裁判を終わりまで待っていることが耐えられなくて、自分たちで直接、園の状況の聞き取りをしたりとか、チェック体制がどうだったとか、事件当日の加害者たちの動きというか、どういった行動をしたのかとか、そういったのをすべてこう、警察の方の捜査のまねごとみたいになるかもしれないですけど、素人ながらにやって自分たちが深く掘り下げていったというか、そういう質問をしました。

Q.園側はどなたが来られていた?
基本的には7人です。元園長、乗務員、当時の乗務員、元担任、元副担任の書類送検された4人とそれに加えて元副園長、息子である現理事長、それと現園長です。その7名。相手側の弁護士はいないです。弁護士とは、電話などで数回やり取りはしています。
Q.「安全装置をつけるために千奈は生まれてきたわけじゃない」と繰り返しおっしゃっていることは重々承知していますが、同じような事件を繰り返さないために、行政や報道機関などに対する要望はありますか?
安全装置義務化は当然、よいことだと思うんですね。ですけれども、どういったようにしてほしいとかいうのは、当たり前のように、どの園もチェック体制をしっかりと行うべきであるとは思いますし、わたしは保育に関して素人ですので、実際に働いている方が、意見をいえるような立場ではあまりないと思っているんですね。
こうしろ、ああしろっていっても、やはり現場で働く人たちが、本当に必要なものが何かとか、中には安全装置義務化ってなっても「安全装置なくても、わたしたちはしっかりやっているよ、できているよ」っていう園に対して、今回、強制的に全国の園につけられたというのは、普段から一生懸命やっている保育士の方にとっては、すごくこう、国から「お前たちはしっかりできないかもしれないからやれ」って強制的にいわれているって感じる部分もあると思うんですね。
もちろんこう、人間ですから、ミスがあるので必要だとは思うんですけど、現場の声を聞いていただいて、わたしたち遺族というよりも、現場の声の方にそってどうやっていくかとか、いろんなアイデアを出し合ってもらって進めていってもらえればなと思います。
記者の方々に関しては、夏になって、こういう時期になりますと、先日も、園ではないですけど、似たような事故もありましたし、注意勧告っていうか、そういうのをして、1人でも防ぐことができたらありがたいなとは思っています。
Q.各地で置き去りは置き続けていますが、どのように考えていらっしゃいますか?
国から通知がいってもできない園があったり、「自分たちは大丈夫」っていう他人事というのがどうしてもあるのかなと。実際に起こってみないと動けないっていう、人間のね、本質があるのかわからないですけど、そういうのがあるのかなと思っています。やっぱり、遺族のみなさんは「わたしたちの子どもで最後にしてほしい」とか、やっぱりこう、建前ではそういうことをいうと思うと思うんですけど、本音では「なんで、自分たちの子供が他人に殺されないといけないんだろう」とか、どう納得したらいいのか、わからない気持ちでずっと過ごされているっていうのが本音だと思うんで。そういったことを、命を預かるっていう仕事をするんであれば、しっかりとやってほしいと思います。