近隣自治体や流域首長との“温度差”

JR側が示した新たな案は、水問題の解決に向けた第一歩になるのか。近隣自治体のトップの反応は、川勝知事のそれ、とは明らかに異なるものだった。

山梨県 長崎幸太郎知事
「JR東海の案は大変努力の成果が見られるものだろうと私は個人的には思っています。これならリニアに関する水問題は、静岡県も納得していただいて、解決に向けて大きな第一歩になるんじゃないかと予感がしている」

A案は山梨県内の工事で出た水を大井川へ戻すというものだが、長崎・山梨県知事は理解を示した


愛知県 大村秀章知事
「この案については私どもとしては大いに評価をしたいと考えている。これをベースにして、しっかりと静岡県、大井川流域の自治体と協議をいただいて、問題解決を図っていただきたいと期待する」

ともにJR東海の案を評価し、水問題の解決を期待するというものだった。

では、大井川流域の市町のトップはどうか。

染谷絹代島田市長
「大井川の水は譲れない。だけど、守るためにどんなことができるのかということについて、現実的な議論ができるようになってきたんだという風に思った」

JR案について語る染谷島田市長 川勝知事との“温度差”が気になるところだ


中野弘道焼津市長
「両案とも、議論が進んでいると非常に心強く感じた。JRにおいては流域の水資源利用者、市民住民とコミュニケーションをとって不安の払拭に努めていただきたい」

「越すに越されぬ大井川」と詠まれたのも遠い過去 かつてのような流量はない 「命の水」が減り続けることは流域住民にとって死活問題だ




流域の自治体と川勝知事の発言とは若干の温度差があるようにもみて取れる。今後は、JR東海が出した新たな案の実現の可能性について、静岡県の専門家会議でどう判断されるのかが焦点になる。